まちのこと
2018-04-27

田中屋せんべい総本家

大垣市本町に本店を構える「田中屋せんべい総本家」さんは、創業安政6年(1859年)の老舗せんべい屋です。中でも看板商品は銘菓「みそ入り大垣せんべい」。150年以上も変わらぬ手焼きの製法を守り続けています。

現在の本店が建てられたのは、戦後のこと。店内はリノベーションされていますが、宮大工によって建てられた柱や梁(はり)は当時のままです。

道路沿いの窓からは職人さんが、日々せんべいを手焼きする様子を覗くことができるので、道すがら立ち止まる人の姿も。

艶ややかな見た目に、ほのかな甘味と、歯ごたえが特徴のみそ入り大垣せんべいの素材は、「小麦粉、砂糖、味噌、ゴマ、水」と、いたってシンプル。

そのシンプルさがゆえに、素材の味が際立ちます。

現在ではこれから先も永く安定的に続いていくことを目指して、原料の味噌も自社で生産するようになりました。

ベテランの職人さんは、軽やかにせんべいを焼いているように見えますが、焼き型は実はずっしりと重く、手首にはかなり負担がかかります。

焼き加減は外からは確認することができないので、長年の経験による感覚が頼り。

焼きあがったせんべいを焼き型から外すのも、微妙な力加減が必要で、外すとすぐに固まってしまうので、手早く乾燥台に移します。

みそ入り大垣せんべいは通常の厚焼のほか、二ッ折、四ッ折のものもあります。

四ッ折は日本一硬いとも言われているほど。

どうしてそれほどまで硬いせんべいが誕生したのかという由来は定かではありませんが、甘いものが貴重だった時代に、より長く味わえるように硬くしたという説もあるのだとか!

続いて、大垣まつりに関わる貴重な資料を見せていただきました。

実はこれは、大垣まつりの軕のモチーフが刻印された焼き型。倉庫を整理した際にでてきたものなのだそうです。

現在残っているのは4本のみですが、おそらくもともとは全13輌が揃っていたのではないかと言われています。

軕そのものではなく、それぞれの軕のストーリーを表すモチーフが描かれた、手の込んだデザイン。大垣の人々にとっての祭りの存在の大きさが伺い知れます。

みそ入り大垣せんべいの他には、創業当時の屋号がブランド名になっている「玉穂堂」のシリーズも人気があります。堅焼きのみそ入り大垣せんべいとは対照的に、さっくと軽くて小さなお子さまのおやつにもおすすめ!

ごまやピーナッツ、かぼちゃなどのほか、最近ではミント、ココナッツといった珍しい風味も仲間入りしました。時季によっては季節限定品も発売されます。

時代を超えて、幅広い世代に喜ばれる田中屋せんべい総本家さんの煎餅。

大垣土産や、ご家庭の御茶請けとして、ぜひご賞味ください。


田中屋せんべい総本家

住所:岐阜県大垣市本町2-16

営業時間 :9:30~18:00(日曜日は17:00まで)

HP:http://tanakaya-senbei.jp/

住所

503-8550

岐阜県大垣市北方町5丁目50番地

岐阜協立大学内

開館時間

10:30a.m.-4:00p.m.

休館日

原則として、土・日・祝日、展示切替の準備期間

※岐阜県西美濃地域に暴風警報が発令されますと、ご利用の皆様の安全確保のため、その時点から臨時休館となりますので、あらかじめご了承ください。